三日月、笑って

婚外恋愛、今、思うこと。

匂いと記憶

りゅーさんとの初デートも終わり、しばらく日常の日々。


ある日、私は一人で買い物に出かけた。

一人で出かける機会なんてあまりないから音楽聴きながら贅沢気分。

お店に入ってお目当ての物探し。

すると、後ろから微かにふわっとりゅーさんの香水の香りがした。

咄嗟に後ろを振り向くけどいるはずもない。

だってここはおもちゃ屋さんだもの。

わかってるのに、いるはずのないりゅーさんを探してしまう。


その夜のやりとりで

♦︰今日りゅーさんと同じ香水つけてる人いたの。いる訳ないって分かってるけどつい探しちゃった。この先、この香水に出会ったら私はいつでもりゅーさんを思い出してしまう、きっと一生ね。なんかズルい。笑

♠︰香水色んな種類持ってるからなー。その時の気分でつけてるよ。

♦︰そしたらますます出会う確率高くなるじゃない💦

♠︰柑橘系が好きなんだよね。

♦︰じゃ、次会う時はりゅーさんの好みの香水つけてきてね。

♠︰いいよ。好みのあれば一緒につけよか。ね。


もう、またやられた。


その後

♠︰同じ香りしたらまずいかもね。

ときたけれど、そういうことじゃないの。

そう思ってくれただけでいいの。

二人で同じ香り、二人のおそろい、それを思ってくれただけで、もう、達成されたも同じこと。

夜のお散歩③

今度は先程とは違う道をお散歩。 

少し高台になっている場所で

♠「はい」

ってりゅーさんが両手を広げる。

ずっとしたかったハグ。

大きくて優しくてあったかくていい匂いがする。

私の髪を撫でる手があまりにも優しくて、泣きそうになる。

こんなに優しく触れられたのは生まれて初めて。

そしてまたキス。

そしてまたハグ。

ずっとこのままキスとハグの無限ループの中にいられたらいいのに。


離れると、足がカクカクしてうまく歩けない。骨抜きにされました。

りゅーさんと一緒にいると「はじめて」が多すぎて。

追いつくのに精一杯。


時は無情にも過ぎて、もう帰らないといけない時間。

なんて早いんだろう。 


電車に乗って二人でドア付近に立つ。

また手をつないで、時々りゅーさんの胸元の匂い確かめて。

やっぱりなんて安心する匂いなんだろう。


降りる駅に着いてしまった。

電車が発車するまでは歩きたくない。

最後まで見送りたい。

りゅーさんの口元が

「すき」

と動く。

私も

「すき」

と返す。


あー、行ってしまった。

また歩いて帰ろう。

時々ふわっと微かにりゅーさんの香水の香りがする。 

さっきまでハグしてたなぁって余韻に浸りながら一本道を歩く。


また、日常に戻らなくちゃ。

夜のお散歩②

それからご飯を食べに行くことに。

信号待ちをしていると、りゅーさんが私の髪にキスをする。

私たちの関係は絶対に誰にも知られてはいけないのに、りゅーさん大胆すぎます。

それでも嬉しいと思ってしまう私も相当なものです。


夜ご飯はエスニック料理。

メニューを広げるりゅーさんの手が美しすぎる。

思わずぱちり。

待ち受けにしたい位、最高のアングルで撮れた左手。

いっそのことりゅーさん専属のカメラマンにでもなろうかしら。


平日の21時過ぎなのでお客さんもほとんどいない。

そして始まったのが腕相撲大会。

メールのやりとりの中で私の仕事柄、腕の筋肉があるという話から出てきた腕相撲対決。

ここは大好きなりゅーさんといえども負けず嫌いの私はかなり本気。

手を握ると、あれ?なんとなく勝てそうな気がする。

結果、私が勝ってしまいました。

嬉しいけど、えーと、これは女子としてどうなんだろうか。。

(後から聞くに、もう少しいける気はしたけどね、とりゅーさん。わざと負けてくれたみたい。私の完全敗北ですね。。)


楽しい時間も本当にあっという間。

このまま帰るのは淋しすぎるので、もう一度お散歩をすることにしました。

りゅーさんがお手洗いに行く時に

♠「これで払っておいて」

と自分のお財布を私に渡したのです。

びっくりし過ぎてしばらくフリーズ。。

私のことそんなに信用してくれてるの?

うまく言い表せないけど、あまりに無防備なりゅーさんに、また少し近づけた気がして、感動を飛び越えて何も考えられなかった。


結局、本人がいないところでお財布を開く勇気はなく、前回ご馳走してもらったし、今回は私が支払いたかったのでそうしました。

それでも、りゅーさんのお財布を今私が持っている、この事実だけで幸せ。



そして再び公園散歩。