三日月、笑って

婚外恋愛、今、思うこと。

夜のお散歩③

今度は先程とは違う道をお散歩。 

少し高台になっている場所で

♠「はい」

ってりゅーさんが両手を広げる。

ずっとしたかったハグ。

大きくて優しくてあったかくていい匂いがする。

私の髪を撫でる手があまりにも優しくて、泣きそうになる。

こんなに優しく触れられたのは生まれて初めて。

そしてまたキス。

そしてまたハグ。

ずっとこのままキスとハグの無限ループの中にいられたらいいのに。


離れると、足がカクカクしてうまく歩けない。骨抜きにされました。

りゅーさんと一緒にいると「はじめて」が多すぎて。

追いつくのに精一杯。


時は無情にも過ぎて、もう帰らないといけない時間。

なんて早いんだろう。 


電車に乗って二人でドア付近に立つ。

また手をつないで、時々りゅーさんの胸元の匂い確かめて。

やっぱりなんて安心する匂いなんだろう。


降りる駅に着いてしまった。

電車が発車するまでは歩きたくない。

最後まで見送りたい。

りゅーさんの口元が

「すき」

と動く。

私も

「すき」

と返す。


あー、行ってしまった。

また歩いて帰ろう。

時々ふわっと微かにりゅーさんの香水の香りがする。 

さっきまでハグしてたなぁって余韻に浸りながら一本道を歩く。


また、日常に戻らなくちゃ。