違和感
りゅーさんに会えると決まってからの私は、会ったらあれもしたい、これもしたい、とまた脳内妄想が繰り広げられる日々。
どうしてもしたいことはみっつ。
当日、私は役員会の後、役員会メンバーと食事会でした。
りゅーさんがいつも終わる時間は大体24時前後。
その前に駅についていられたらいいかな、と余裕を持っていた私。
しかし、食事会を終えて携帯を見るとまだ23時過ぎなのに
♠︰終わったよー。そちらはどうかな?
ぁあー!!私ってばなんてバカなんだ!!
もっと早く切り上げて向かっていればよかったのに。
時すでに遅し。
自転車を駅までこれでもかというスピードで飛ばす。
私の自宅からりゅーさんの職場がある駅までは自転車で15分程。
飛ばすに飛ばしたので半分の時間で着いた。自転車を少し離れた場所に置く。子ども乗せ自転車のまま、りゅーさんにはなんとなく会いたくなくて。
いた。
信号の向かいにりゅーさんを見つけた。
会いたくてどうしようもなかったりゅーさんが目の前にいる。
りゅーさんが手袋を外して私の手をとってくれる。
♦「遅くなってごめんね、お疲れさまでした」
♠「大丈夫だよ。早かったね」
♦「自転車飛ばしてきたから!」
ちょっとした違和感を覚える。
りゅーさん、こんな顔してたっけ?
体の線も大分細くなったなぁ。
♦「もしかして痩せた?」
♠「うん、5キロ落ちた」
たった1ヶ月の間に5キロも落ちてしまうなんて、一体どれだけ頑張ってきたんだろう。
りゅーさんはいつも私に頑張れと言って欲しいと言う。
私は毎日毎日頑張っているりゅーさんにこれ以上頑張ってとは言いたくないのが本音だけど、りゅーさんがそれを望むから、毎日「頑張ってね」を送り続けた。
でも、こんなにも痩せてしまったりゅーさんを見ると、果たして私が毎日言い続けた「頑張ってね」はりゅーさんを追い詰めてしまっていなかっただろうかと思わずにいられない。
私の立ち位置、私の言動、ふと立ち止まって考えてしまう。
きっとこれが違和感の正体。
あてもなく夜の街を歩く。
信号待ちでキスされそうになるけど、私はよけてしまった。
ここは、私とりゅーさんのほぼ地元の駅。
同級生がいる確率だってゼロではない。
♠「なんで?」
♦「だって人いっぱいいるよ」
♠「そっか」
信号が青になってまた歩き出す二人。
♦「お腹へってない?」
♠「大丈夫、夜ご飯っぽいの食べたから」
探り探りの会話の中、また信号待ち。
また、りゅーさんの顔が近づいてくる。
だめだ、もう抑えられない。
軽くキスをした後に、二人で顔を見合わせて笑う。
♠「イチャイチャできるところに行きたいな」
♦「うん、ゆっくり話したい」
きっと初めから二人は同じことを思っていたのかもしれない。
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