ホップ、スキップ、ジャンプ
りゅーさんとのデート権を粘り勝ちで手に入れた私。
夕方になって
♠︰あと30分位で終わるよ。
♢︰私も今着いたよー。
りゅーさんとこの関係になってから早5ヶ月余り。
こんなに早い時間に会えるのは再会した時以来。
そしてこの5ヶ月の間に会えたのは、今回で5回目。
数字だけで言うなら月一ペース。
苦しくて辛かった3ヶ月。
でもその3ヶ月があったから、今日がある。
今日こそは笑顔で会いたい。
そればっかりを考えてた。
そして、横断歩道の向こうにりゅーさんを見つけた。
顔を見ただけでやっぱり好きだなぁって思う。
そんなに背の低くない私でも、りゅーさんと並んで歩く時は見上げながら話す。
この位置関係も好き。
♢「今日時間作ってくれてありがとう。半分脅迫だったよね💦」
♠「会わなくていいって言ったり、その後すぐ会いたいって言ったり、わがままだなー」
でも、心なしか笑ってるりゅーさん。
わがままって言われたのに、なんだか嬉しいとすら思えてしまう。
お部屋に着いて、まずはこれを渡したかったの。
りゅーさんへのお誕生日プレゼントはいつも一緒にいられるようにボールペン。
ケースと包装紙は返してもらった。
どこにも置き場の、居場所のない物たち。
りゅーさんが申し訳ないなぁと思いながら捨てるよりも、私が持って帰ればいい。
そして缶ビールで乾杯。
普段ビールは飲めないけれど、りゅーさんと一緒だとちょっと美味しいと思えてしまう。
詰まるところ、りゅーさんと一緒にいたらなんだって嬉しいし楽しい。
ハグとちゅーが出来れば満足の私。
でも、覚悟してきてね、って言われたから。
りゅーさんはやっぱり何度も何度も
大丈夫?痛くない?って聞いてくれる。
ほんの少し手を伸ばせばりゅーさんの髪に、顔に触れられる距離にいること。
余りにも幸せな時間に涙が出そうになる。
りゅーさんの腕と私の腕が触れる。
男の人なのにすべすべで柔らかくてピタって吸いつくような感覚。
またひとつ、りゅーさんの好きなところが増えた。
前言撤回。
ハグとちゅーだけで満足、なんてうそ。
りゅーさんは相当お疲れのようで隣で眠っている。
私はそれを腕枕してもらいながら眺める。りゅーさんの寝息が届く距離。
それがまた、たまらなく愛おしい。
幸せな時間はあっという間に過ぎてしまう。
そんなにかけ足することないのに。
でも、心も身体も満たされた私は、駅までりゅーさんを送ってバイバイする時、きっと笑顔だったはず。
だってね、自然とまた会える、そう思えたんだ。
大丈夫、また何ヶ月だって待てるよ。
いつもは淋しくて淋しくて仕方ない帰り道も、りゅーさんに色んな気持ちをもらったから、落ちるどころかスキップできるほど。
家に着いてからのメールで
♢︰またひとつりゅーさんのすきなところ増えたよ。でも変態って言われるから教えない。笑
♠︰変態?そんなの知ってるよ。
めんどくさくてわがままで変態って、私いいとこナシじゃない?笑
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