三日月、笑って

婚外恋愛、今、思うこと。

一本道に何思う

先日のこと、私にしては珍しく大人でオシャレな街に行くことになった。

その内容を聞いて、りゅーさんもまた珍しく

♠︰何かあったら連絡するんだよー。

と言ってくれた。


帰りの電車の中で

♠︰まだ仕事が終わらないよー。k-coは大丈夫?

仕事中に連絡をくれるなんて珍しいにも程がある。

これは何かのサインなのかな。

一か八かで聞いてみた。


♢︰今○○。仕事終わるの待っててもいいですかー?ダメって言われたらそのまま帰りまーす。

しばらくしてから

♠︰待てるの?


なんだ?待ってていいのか?

待てることを送ってカフェに入る。

でもなぁ、まだお仕事落ち着かないって言ってたのに、なんで今日はいいんだろう?

もしかしてもうお一人様なのかな。

もし会えるなら誕生日プレゼント持ってくればよかった。

色んなことを考えながら、でもまだはっきり会えるって言われた訳じゃないし。

期待は禁物。

日付が変わってから

♠︰終わったよ。どこにいるかな?


やっぱり会えるのかー!

タイミングとはどこでどう重なるのか分からない。

猛ダッシュで駅まで向かう。


いた、

3ヶ月振りのりゅーさん。

でも、なんだろう。

なんだか。。

りゅーさんの顔が嬉しそうに見えない。


♠「お疲れさま。さて、どうしようか」

息切れとまだ目の前にいるりゅーさんが信じられなくて何も答えられない私。

結局、私の最寄り駅まで送ってくれることになった。

甘い言葉を交わす訳でもなく、手もつながない。

とりとめのない会話をしながら違和感だけが私を包む。

背の高いりゅーさんは歩くのも早い。

どんどん悲しくなってきた。

この逢瀬は一体なんなんだろう。

普通のメールしかしてこなかったから、気持ちももうなくなったのかな。

じゃぁ今日は一体なんで会ってくれたんだろう。

たくさんのなんでを抱えながら歩く。


半分くらい歩いたところで我慢出来ずに聞いてみた。

♢「なんで今日は手をつないでくれないの?」

すると笑いながら手を差し出して

♠「つないでいいのか分からなくて」


んー?どういうことだろう。

だめだなぁ。何を話してももやもやにしかならない。

そんなことを思っているうちに最寄り駅に近づく。

♠「家はこっちだよね」

交差点の角で止まる私。

♠「ん?どうしたの?」

♢「ハグくらいしたかったな」

すると、人気のない路地裏に行きりゅーさんが手を広げる。



そうか、私はこれがしたかったんだ。

りゅーさんに包まれる安心感。

りゅーさんの匂い。

抱きしめられるだけじゃなくて、私もりゅーさんを抱きしめたかったんだ。


身体が離れると目が合う。

大好きなりゅーさんの笑顔がすぐそこにある。


ハグとキスのループ。

甘くて幸せな、ループ。


♠「すきだよ」

♢「うん、だいすき」

♠「したいな」

♢「いいよ」


どの位ハグとキスを重ねた後か、

♠「そろそろ帰らないとね。遅くなっちゃうよ」

また、何も言葉に出来ない私を見て

♠「大丈夫、またすぐ会えるよ」

やっぱりりゅーさんの【大丈夫】に弱い私。

♢「。。わかった、またね」


りゅーさんの背中を見送った。


自宅に着いてから

♢︰今日はわがまま聞いてくれてありがとう。久しぶりのりゅーさんの笑顔、匂い、ハグ、心に焼き付けたよ。幸せでした。きーつけて帰ってね。

♠︰こちらこそ、遅くまでごめんね。着いたかな?会えて嬉しかったし、欲求不満ー(笑)男なんでねー。



やっと分かった。


一本道で手をつないでくれなかったのは地元付近を警戒して。

早足だったのは私の帰宅時間が遅くならないように。

したいと言ったのにそのまま帰ったのは、その両方。



言葉にはしないけれど、

きっとそういうことでしょう?


大丈夫、私たちにはまた【次】がある。

声と感情

りゅーさんからのいつもの定時連絡は

朝のおはよう

夜のお仕事終わり

これが基本だけど、私が送るのは休憩中や、仕事終りになんとなくだったり、りゅーさんがそろそろお仕事終わる頃を見計らって送ってみたり。


その日は珍しく夕方にりゅーさんのお仕事終わったよ、が送られてきた。

いつもより、疲れの具合もマシなのか、ラリーがぽんぽん続く。

すると、

♠︰さっきただいましたよ。今は家でひとりゆっくりちう。


なんですと?家に一人?

これはもしかしたらチャンスなのかもしれない。

声が聞きたいな。と送ると、今ならいいよ。と返事がきた。


約1ヶ月振りのりゅーさんの声。

もちろん、ドキドキもあるんだけど、久しぶりとは思えない安心感。

お付き合い当初はもう少し甘くて、よそ行きの声。

でも今はきっと地声に近いんだろうな。

たったそれだけのことが嬉しい。


りゅーさんの一人称は【自分】。

【俺】とは言いたくないみたい。

それでもたまーに、ついうっかりなんだろうけど会話の中で【俺】が出てくると、少し素の部分に触れられたみたいでまた嬉しくなる。


いつもみたいに【少しだけ】の制約が緩い分、色んなことを話せた。

その中でも

♠「自分も言わないで我慢してることがあるんだよ。言ったらk-co傷つくから」


ぁあ、きっとまた落ちてめんどくさいとかそういう類のものだよね。。

でも、そこまで言われたら何を我慢しているのか聞きたくてたまらなくなる。


♠「会いたい、とかさ。会えないのに会いたいっていったところで淋しくさせるだけでしょ。k-coがめんどくさいことはもう知ってるよ。笑」

♠「男は基本的に自分のことしか考えてないから、もちろん会いたいし、したいと思ってるよ。でも、するだけならその辺の見ず知らずな人でいい訳だし。このつながりがそれだけになったら悲しいじゃない?」


今日のりゅーさんは饒舌だなぁ。

メールではどうしても感情が分かりにくくて淡々としてるなぁって捉えてしまう。

でも、りゅーさんの声でそれを伝えてもらうとこんなにも温かくて、優しくて、りゅーさんの気持ちが心の真ん中にすーって染み込んでくる。


そして話題はGWへ。

♠「GWはまた一人なんだよね。(奥さんが)実家に帰っていないから。でも、仕事忙しいだろうから会うのは厳しいかな。また夜中になっちゃうし。」

♦「えー、じゃぁなんで一人だなんて言うんだよー。会いたくなっちゃうじゃん」

♠「一応、報告はしないとね。k-coは旅行とか行かないの?」

♦「行かないよ。私は休みだけど…」

♠「ぁあ、休みじゃないんだね」


私はどうしてもりゅーさんの前で旦那さんという単語を出したくなかった。

りゅーさんの口からも奥さんという単語は聞きたくない。


♦「やだ、やめよう、この話。りゅーさんは意識的か無意識か分からないけど、奥さんの話をしないでしょ?私もなるべくしたくなくて。多分私は一度聞いてしまうとトコトン知りたいと思ってしまうから」

♠「知らなくていいことは知らないままがいいよね」

♦「意見一致だね。知らなくていいことは知らない方が幸せ」


本当は聞きたいことが山程あるよ。

でもそれをしても無意味だ。

それよりも二人でつながっていられるこの時を大切にしたい。

勝手なことだっていうのは分かってる。

それでも、お互いのバックグラウンドを無視した、ただの二人でいたいの。


今までは私の想像だったけど、ちゃんとりゅーさんと気持ちの擦り合わせが出来た気がする。

そんなことを思った今回の電話。



今のうちに謝っておきます。

GWに会いたいってきっと言ってしまうけど、許してね。

言葉以上の気持ち

あれから、


りゅーさんに打ちのめされてから、また普通の日々が戻ってきた。

でも、その中でも時々自分の気持ちを織り交ぜて。

♦︰りゅーさんはさ、きっと自分にも他の誰にでも厳しいんだろうね。

でもそれは多分本当の優しさで。

今は私はまだ厳しいなぁって思ってしまうけど、いつか、それが優しさだって分かる日がくればいいなって、

その時に二人で笑っていられたらいいなって思うよ。

♠︰おはよー。今日も暖かいね。いってくるね!いってらっしゃい!


うむ。会話が成立していない。


♦︰なんで送った内容について既読スルーなんだよー!なんだか仙人と修行してる気分だよ。。きーつけていってらっしゃいー!

♠︰しっかり読んでるよ。


うーん。

ちょっと分かってきた気がする。

肯定も否定もしないけれど、受け止めたよってことなのかな。


そこでようやく私も気持ちが落ち着いた。

しっかり読んでくれてるなら、まぁいいか。


それからというもの、私たちのメールに甘い言葉が飛び交うことはなく、

朝のおはよう、や

ジョギングをしているとお好み焼き屋さんのソースの匂いにやられる、とか

UCCのミルクコーヒーを見かけて懐かしくなって飲んだけど、全然コーヒーの味がしない、とか

恋人でも友だちでもないようなことを日々投げかける私。

その中で一つだけどうしても言っておきたいことがあった。


♦︰今はね、また平常心取り戻したけど、次会うまでに絶対に落ちないって言い切ること出来ないんだな。そしたらまた引き上げてね。優しくなくてもいいからさ。

♠︰うん。大丈夫。いつでもね。



【好き】も【会いたい】もない、たった一言の返事だけど、それ以上の気持ちをもらった気がした。

もう無理矢理気持ちを引き出すのはやめにしよう。

きっと、りゅーさんの気持ちはいつもここにある。

今のこの気持ちを積み重ねていけば、二人で笑い合える日もそのうち来る。

だから、好きなだけ、やりたいだけ仕事に専念すればいいよ。

20年待ってたんだもん。

あと数ヶ月延びたところでどうってことないさ。


私の片思い歴、なめんなよ。笑