告白
お店を出て、駅に向かう二人。
自然につなぐ手と手。
なんだかそれだけでもう充分な気がした。
電車に乗って他愛もない話して。
私が降りる駅が近づくにつれて口数が減っていく。
♠「名残惜しいな」
♦「そうだね」
絡ませた指を撫でる。
言葉は交わさなくてもその指から気持ちが伝わってくるようで。
次はもう私が降りなくてはいけない駅。
もっと一緒にいたいけど、そんなに欲張っちゃいけないよね。
♠「きーつけてね」
♦「ありがと。またね」
電車が動いて、りゅーさんの笑顔を見送る。
はー、行ってしまった。
本当はまた電車を乗り継いで帰るのだけど、そんな気分ではない。
何よりこんな顔じゃ帰れない。
歩いて帰ろう。
♠︰電車乗れた?
♦︰余韻に浸りたいから歩いて帰る🐸
♠︰家に着くまで付き合うよ。
雨がしとしと降っていて、現実に戻るにはちょうど良い冷たさ。
それでも、お互いの気持ちを伝え合うと、暑いのか寒いのか分からなくなってくる。
♠︰余韻タイムが終わる前に言っておくね。小さかったあの頃は好きという意味がわかってなかったけれど、好意をもってました。
20年経った今、再び出会えてk-coさんのことが好きだと分かりました。
♦︰小学生の頃からずっとずっと好きでした。離れても心の隅でいつも気になっていて。今日会って一目でやっぱり好きになりました。ありがとう。出逢えてよかった。
♠︰お互い両思いだったしこれからもだね。
♦︰ほんと、いつまでたっても切ない両思いだね。
やっと、やっと告白できた。
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