三日月、笑って

婚外恋愛、今、思うこと。

鉄壁 時々 微糖

あれは確か年始のこと。


私が実家で昔の写真を漁り、懐かしさに浸って、当時の担任の先生の写真をりゅーさんにも送った。

♢︰みてみてー!うちらの担任の先生!懐かしいね(*´∀`)でも家にはりゅーさんの写真なかった😢

♠︰懐かしいね!写真ないの?じゃぁ今度パチリしよーね。



それからというもの、会う時に絶対二人の写真を撮りたいと思っていた私。

この間のお部屋デートでようやくその願いが叶う。


そう思っていたのに。


りゅーさんに写真を撮りたいとお願いすると即答でダメって返ってきた。

お得意の危機管理と、その時は気分が盛り上がって言ってしまったやつね。


じゃぁ二人で手をつないでる写真は?

って聞いたらそれもダメって。


でも、りゅーさんの手の写真だけならいいよって。

りゅーさんの判断基準がイマイチ分かりかねる。笑


右手も左手もパシャパシャ撮りまくって

上手に撮れたと喜んでいる私を微笑みながら

♠「早く秘密のフォルダに移しな」

って諭すりゅーさん。

新しい手の写真がいっぱい増えた。


この関係を続けていくってこういうことなのかな。

きっと続けていく為にはりゅーさん位がちょうどいいのかもしれない。 

でもこのままではりゅーさんの写真を手に入れる日は来ない。

こうなったらクラウド管理とやらを調べてみよう!

小難しいことはさっぱりなので、優しく教えてくれる方、大募集します♡笑





そして、GW前から休みなく今も働いているりゅーさん。

新規事業も相変わらず大変で、最近はお疲れの様子。

本当は私も色々伝えたいことがあるけれど、今は少しお休みしてる。


♢︰ついこの間までは寒いねーって送り合ってたのに、今は暑いね、になったね。四季の移ろいを一緒に感じられるのっていいなぁって思ったよ。

♠︰蒸し暑いね、これからはどんどん暑くなっていくね。季節が、変わっていく。時代は流れていく、かな。

♢︰季節が変わっても、時代が流れても、変わらない気持ちもあるよ。

♠︰その中で変わらない気持ちを持ち続けたいものだよね。

♢︰色んな狭間で戦ってるりゅーさん、私はずっと応援してるよ。変わらない気持ちでね。

♠︰ありがとう、頑張ってくるね!いつも、ありがとう。


これが今出来る精一杯の愛のやりとり。


りゅーさんが日々の疲れを一瞬でも忘れられるように、プレゼントを送った。




届きますように。

ホップ、スキップ、ジャンプ

りゅーさんとのデート権を粘り勝ちで手に入れた私。


夕方になって

♠︰あと30分位で終わるよ。

♢︰私も今着いたよー。


りゅーさんとこの関係になってから早5ヶ月余り。

こんなに早い時間に会えるのは再会した時以来。

そしてこの5ヶ月の間に会えたのは、今回で5回目。

数字だけで言うなら月一ペース。


苦しくて辛かった3ヶ月。

でもその3ヶ月があったから、今日がある。


今日こそは笑顔で会いたい。

そればっかりを考えてた。


そして、横断歩道の向こうにりゅーさんを見つけた。

顔を見ただけでやっぱり好きだなぁって思う。

そんなに背の低くない私でも、りゅーさんと並んで歩く時は見上げながら話す。

この位置関係も好き。


♢「今日時間作ってくれてありがとう。半分脅迫だったよね💦」

♠「会わなくていいって言ったり、その後すぐ会いたいって言ったり、わがままだなー」


でも、心なしか笑ってるりゅーさん。

わがままって言われたのに、なんだか嬉しいとすら思えてしまう。



お部屋に着いて、まずはこれを渡したかったの。

りゅーさんへのお誕生日プレゼントはいつも一緒にいられるようにボールペン。

ケースと包装紙は返してもらった。

どこにも置き場の、居場所のない物たち。

りゅーさんが申し訳ないなぁと思いながら捨てるよりも、私が持って帰ればいい。


そして缶ビールで乾杯。

普段ビールは飲めないけれど、りゅーさんと一緒だとちょっと美味しいと思えてしまう。

詰まるところ、りゅーさんと一緒にいたらなんだって嬉しいし楽しい。



ハグとちゅーが出来れば満足の私。

でも、覚悟してきてね、って言われたから。


りゅーさんはやっぱり何度も何度も

大丈夫?痛くない?って聞いてくれる。

ほんの少し手を伸ばせばりゅーさんの髪に、顔に触れられる距離にいること。

余りにも幸せな時間に涙が出そうになる。


りゅーさんの腕と私の腕が触れる。

男の人なのにすべすべで柔らかくてピタって吸いつくような感覚。

またひとつ、りゅーさんの好きなところが増えた。


前言撤回。

ハグとちゅーだけで満足、なんてうそ。



りゅーさんは相当お疲れのようで隣で眠っている。

私はそれを腕枕してもらいながら眺める。りゅーさんの寝息が届く距離。

それがまた、たまらなく愛おしい。



幸せな時間はあっという間に過ぎてしまう。

そんなにかけ足することないのに。

でも、心も身体も満たされた私は、駅までりゅーさんを送ってバイバイする時、きっと笑顔だったはず。

だってね、自然とまた会える、そう思えたんだ。


大丈夫、また何ヶ月だって待てるよ。



いつもは淋しくて淋しくて仕方ない帰り道も、りゅーさんに色んな気持ちをもらったから、落ちるどころかスキップできるほど。



家に着いてからのメールで

♢︰またひとつりゅーさんのすきなところ増えたよ。でも変態って言われるから教えない。笑

♠︰変態?そんなの知ってるよ。



めんどくさくてわがままで変態って、私いいとこナシじゃない?笑

4日後の奇跡

りゅーさんとの3ヶ月振りの逢瀬の後、お一人様だからなのか、なんとなく、それとないメールが来るので、

りゅーさんが休みかも、と言っていた日に会いたいと打診するものの、煮え切らない返事が返ってきた。

そこでは深く聞かずに、休みかもと思われる前日にもう一度聞いてみた。

♢︰明日は期待しちゃいけないのでしょうかー?もし会えるならすーっごい嬉しい。でもお月様になっちゃった。

♠︰明日も出勤になったよ。いつもよりは早く上がれそうだけど。お月様なの?残念。まぁそんなの関係ないけどー。

♢︰早く終わるなら待っててもいい?ハグちゅーならいっぱい出来るよ♡

♠︰それでは物足りないからだめー。会ったら絶対してって言ってしまうからだめ。と、少しお疲れモードだから家でゆっくりしたいな、というのがほんとのとこよ。


あー、撃沈。

♢︰うん、そうだよね。毎日遅くまで働いてるもんね。ごめんね、気づかなくて。お家でゆっくりしてください😌


これは本心。ほぼ休みなく今でも働いているりゅーさん。

いくら今がお一人様とはいえ、だからと言ってりゅーさんの休息の時間を私が奪っていい訳じゃない。

それから数時間後、まだお仕事中のりゅーさんにもう一通私の本音を送った。


♢︰実はね、この前会った時にりゅーさんは私のことはもう好きじゃないのかなーって勝手に考えてた。手、つないでくれないし、歩くのも早いし。なんで会ってくれるんだろう、とかそんなことばかり考えながら歩いてたんだ。でもね、ハグしたら、その後くれたメールを見たらようやく分かったの。私の住んでいる場所だったから。私の帰宅時間を心配してくれたから。もう自分が鈍感すぎて嫌になる。もう少し気付けるようになるから。それまで呆れないでいて下さい。


仕事終わりのりゅーさんからは

♠︰謝ることないよ。呆れてもないし、気持ちは変わってないよ。会いたいなと、思うんだけど、身体も求めてしまうのは間違いないから。嘘なく、男だし、そう思ってしまうのが欲望。それが全てでないのも分かってる。でも、堂々と手を繋いでご飯食べてというわけにもいかないのも事実だから。葛藤してるよ、自分もね。


こともあろうに私は寝落ちしていて、夜中に目覚めてこのメールを読む。


初めて、りゅーさんの心の声を聞いた気がした。

今までは身体のつながりだけになるのが嫌、そう言ってくれていて、それも私は確かに嬉しかった。

誠実に向き合ってくれている。

私のことを思ってくれている。

それはここ最近ようやく分かった。

でも、それを抜きにした気持ちを、初めて伝えてくれた。

りゅーさんの本音、やっと見せてくれた。

それがたまらなく嬉しくて、夜中にも関わらず送ってしまった。


♢︰私もね、会えるだけで満足って思ってた。でも実際会って顔見ると、手つなぎたいなぁとか、ハグしたいなぁとか、触れたいなぁって思うんだ。知ってた?欲求って男の人だけにあるものじゃないんだよ。会えるかもしれないチャンス、一回だって逃したくない。それ位私もりゅーさんのこと求めてるんだよ。色々考えてみたけど、やっぱり会いたいー!!


そして翌朝、仕事前にもう一通。

♢︰おはよ。よく眠れた?私は伝えたいこと伝えられたからいっぱい眠れたよ。今日はね、りゅーさんへのプレゼントも持ってきた!16時まで返事待ってる。いってらっしゃい、いってきまーす!


休憩時間に携帯を見ると、私が送った割とすぐ後に返信をくれていた。

♠︰おはよー、良く寝れたよ。そこまで言われてしまうとな、会わなかったら鬼みたいじゃない。覚悟してきてね。何時に終わるか未定なんだけど、それでよければ。



私の粘り勝ち。笑

りゅーさんも私に少しでも会いたいと思っているならば、私はどんなことをしてだって会いたい。

ちょっと強引だったけど、チャンスが、タイミングが、今って言ってる。


前回の逢瀬からたった4日後、

奇跡が舞い降りた。